子どもの遊びの中には、とても重要な教え(教育的に意味があること)がたくさん詰め込まれています。
子どもは自由に楽しんで遊んでいるうちに、結果として、生きていくために必要なさまざまな力を体で吸収しています。だからこそ親は、“子どもが自主的に、自分のしたいように、自分のペースで遊べる”環境を作ってあげることが重要になってくるのです。
「遊んで学ぼう」のコーナーでは、ふだん何気なく行っている遊びから子どもが体得できる力と、親としてぜひ意識しておきたい遊びの環境作りを具体的に紹介しています。
子どもが遊びから学ぶ力には、おもに次の5つがあります。
「創造する力」
・砂やねんどなどを使って形のあるものを創り出す
・みんなで遊ぶことによって、新しいルールを創り出すなど、遊び方の工夫
「感じる力」
・自然に触り、季節を感じることにより育まれる豊かな心
・生き物の飼育や植物を育てることによる命の尊さ、愛情、責任感など
・美しい芸術に触れることによる驚きや感動
「身体が成長する力」
・全身を使って遊ぶことによる運動機能の向上や体力増強
・土や草花、木などの自然に触れて遊ぶことによる免疫力の増加
「社会に適合する力」
・同じ年の子や異なる年の子ども同士で育まれるコミュニケーション能力やルールの把握
・みんなで遊ぶことで育まれる思いやり、協調性、道徳性、明朗性、言語
「挑戦する力」
・新しいことに自分から挑んでいく積極性
・自分の行動が思いもよらぬ危険を招いたことで得られる自己防衛能力(危険の察知)
そのほかにも、気を取り直す力、自分が置かれている状況を判断する力、ものごとをやりぬく力、努力、忍耐力、勇気、集中力などが遊びの中で学べます。
天気のいい日は子どもを連れて外に出よう!
遊びといっても、家で遊ぶあやとりや折り紙をはじめ外で遊ぶ落ち葉ひろいやすべり台まで、遊ぶ場所もいろいろあります。一年を通じて、家遊びはいつでもできますが、外遊びは親が一緒に遊ぶ機会を意識してあげないと、極端に減ってしまう子どもが増えています。
外遊びは家遊びに比べて五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)をバランスよく刺激するものが多く、脳全体が活発に動いて脳を成長させます。脳の発達により、記憶力や発想力などの能力も向上します。また外遊びは、身体全体を使って遊ぶことが多く、運動の機能を大きく発達させ身体全体の成長を助けます。
外が少し暑くても寒くても、子どもを外に連れ出しておおいに一緒に遊びましょう。そして、親として子どもの成長する環境をたくさん用意してあげましょう。