「遊びの中にある学びとは?」をさまざまな方にインタビュー
つるの剛士さんインタビュー
「とうちゃんとかあちゃんの子どもだから大丈夫」
子どもにとって、それってすごい自信につながる
2016.4.20
俳優・ミュージシャン・タレント
つるの 剛士(太田プロダクション)
「じつは、僕、あまりイクメンて言葉が好きじゃない」と語るタレントのつるの剛士さん。マルチな才能で活躍を続ける一方、積極的に子育てに関わるパパの代表的な存在としても有名です。つるのさんの子育ては、「僕が両親から受けた愛情を自分の子どもたちに注ぐ」というシンプルなスタイル。子どもたちの個性と未来を信じ、力まず気負わず子どもたちと接する姿は、イクメンの枠を大きく越え、代々伝わる「つるの家」の愛情に溢れています。
遊びが教えてくれるもの
遊びのなかには生きるヒントがいっぱい
僕は、遊んでないと仕事ができない。逆に、仕事してないと遊べないんです。例えば、朝、サーフィンしてると、その中にすごいヒントがいっぱいある。深く遊ぶと、哲学がでてくるんですよね。
サーフィンて芸能界と一緒で波があって、「この波に乗りすぎると、岸までつける体力があるかな?」とか「そこまでのポテンシャルはあるかな?」とか。将棋だったら、仕事に行った時に、出演者のみなさんが駒に見えるんです。「自分は今日、どの駒になればいいのかな」とか。
そういうことって、全部遊びの中で学んできたんです、感覚的に。そういう学びみたいのがありつつ遊んでいると、だんだん仕事がしたくなってくる。「これを仕事に生かしたいな」って感じで。
で、今度は仕事していると、遊びたくなってくるんです。「そろそろ肩の力抜きたいな」「ちょっと波に乗りたいな」「海の中に入りたいな」とか、いろんなことを考えてくる。それが、いい感じのバランスになっている。だから仕事だけなんて、絶対にムリ。
子どもの目線がわかれば、考えの幅が広がる
思いっきり遊んでいると、この遊びをいかに仕事としてクリエイトしていくかってことばかり考えちゃう。山登りも釣りもサーフィンも全部仕事になるし、野菜作るようになったら、それも仕事になった。あまり仕事になりすぎると、イヤになるんですけどね。
遊びはつねに仕事のヒントをくれるって感覚が、けっこう自分の中にあるんです。だから子どもたちもそういう目線で見てると、「YouTubeばかり見てていいのかな」って思うこともあるけど、「ひょっとしたら、これが将来をクリエイトすることになるかもしれない」って、子どもに対する考えの幅が広がってくる。
ただ、「そんなものばかり見てちゃダメダメ」じゃなくて、「この子たちは何が楽しくてやってるのかな?」って、大人もいろいろ見て勉強していくと、子どもたちから教えてもらうことになるじゃないですか。
子どもたちの目線がわかれば、僕たちもその目線で仕事をやれば、「子どもたちにウケるかもしれないな」ということになってくる。遊びの中から、どんどんヒントを得ていける気がします。
パンダは「キッス」?
だから、子どもは自由に外でバーンと遊ばせてみる。それをちゃんと見ておくと、いろんなことに気付く。子どもたちの感覚っておもしろくて、積み木というのは僕らには積み木かもしれないけど、四角の積み木を見て「バス」って言うんですよ。僕はそんな息子を見て「すごいな」と思った。
あと、パンダを見て「キッス!」って言ったんですよ(笑)。すごいでしょ? 僕がロック好きで、昔からキッス(白塗りに黒の奇抜なメイクをしたアメリカのロックバンド)のビデオをよく見てたんですよ。これを聞いた瞬間、白黒の動物が子どもたちには「キッス」に見えたことに驚きましたね。僕らと全然違う感覚を持っている。
子どもを自由に遊ばせてみて、親がそれを勉強すれば、今度は親も遊べるじゃないですか。親のそういう発想の変え方って大事かもしれない。とくに「子どもとの遊び方がわからない」って言ってるお父さんにはね。そういうお父さんて、仕事しかしてないのかなぁ、う~ん、わからないなぁ。
よく、お父さんは休みには一日ソファでゴロンとするって話を聞きますよね。僕も「やってみたら?」ってまわりの人から言われたので、努力してやってみた。ムリでした。5分ももたない(笑)。「サーフィン行ってくるわ」ってなっちゃう。
子どもたちには、いろんな向き不向きがある
うちの奥さんてね、かなり理解がある人なんです。アマゾンからよく物が届くんですが、何か届いても、「つるちゃん、またなんか始めたな。また新しいことしようとしているな」って感じとってくれるし認めてくれる。ありがたいです。妻にはいつも感謝してます。
僕自身、始めてみたけどダメだったものもいっぱいあります。サッカーやバスケも野球もやったけど、自分に向いてないと思うとすぐ諦める。風潮としては「すぐに諦めるな」って感じもあるんでしょうが、僕は全部諦めてきた
だから、子どもたちにもいろんな向き不向きがあると思うので、僕が「もうダメだ」と感じたらすぐにやめさせます。向いてるものがあると、すごく楽しんでやってるんです。日頃から子どもたちの目を見てるので、「これやってるとき、すごい輝いてるな」って、ちゃんと見極められますよ。親として、そこだけははずさないようにしたいなと思ってます。
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