5「遊びの中にある学びとは?」をさまざまな方にインタビュー
大野 崇恵さんインタビュー
おいしいって、しあわせなこと
2016.6.26
家庭料理研究家
大野 崇恵(おおの たかえ)
ご自身の子育てを通して食育を実体験で学び、日々の食卓にムリせず楽しく取り入れている家庭料理研究家の大野崇恵さん。「妊娠中はいい卵? いい卵ってなんだろう」という疑問からスタートした食材へのこだわりは、今では調味料作りや野菜作りにまで及んでいます。大野さん手作りの幼児食は素材そのものの味が際立ち、懐かしくも新鮮な驚きを与えてくれる味です。
食育と子育て
軸となる味覚形成を心がけよう
手作り味噌もそうですが、私はそれ以外にも麹を利用した玄米甘酒、玄米塩麹、玄米醤油麹、ひしお味噌などさまざまな発酵調味料を作っています。その他にも『酢玉ねぎ』などもおススメ。
これらの調味料を生かし、ドレッシングや和え酢などを作ると、生きた酵素が体に入り、腸内環境を整えてくれることに。腸内環境を整えることにより、便秘解消、免疫力向上にも繋がります。お母さま方の美肌にもおススメ。酵素の力ってホントにすごい! 食べる美容液みたいです(笑)
食材本来の味を活かした食事を続けていくことで軸となる味覚形成に繋がります。とは言っても、息子は友だちとファーストフードのハンバーガーも牛丼も食べますし、コンビニで買い食いもします。そんな食事が続いていると「駄目だ。気持ち悪い。おかん、味噌汁!」と帰宅後キッチンに。たぶん、本能的に体が何かを感じているのでしょうね。
離乳食と幼児食は軸となる味覚を形成している
日々の食卓での食事が子どもたちの味覚を形成するのです。軸となる味覚がしっかりとしてさえいれば、大人になって違うものに走ったとしても、必ずリセットできる体に。友だち付き合いも大切ですし、ハンバーガーを食べながら楽しい時間を過ごしてもらいたいので、それを否定しようとは思いません。
たまに脱線しても、軸さえしっかりしていれば大丈夫。離乳食と幼児食の大事さとは、その軸となる味覚を形成していることだと私は考えます。
今まで気にされていなかったお母さま方も、ちょっと「見直してみようかな」と感じたら、ぜひ始めてみてください。毎日続けていれば、味覚は必ず軸を取り戻します。日本の伝統でもある出汁などのうま味は、本能的に遺伝子にインプットされているものなのですから。
赤ちゃんがヘンな味がすると感じると「ウエッ」としますよね。あれは本能。インプットされているものが「これは危険。だから出しちゃえ」と感じとっているのです。
なにはともあれ『お味噌汁』
お子さんによっては好き嫌いもありますね。とくに野菜。我が家の息子もそうでした。そこで、当時子どもたちとプランターで野菜を育てることにしたのです。なすやミニトマトピーマンなどを一緒に育てて収穫すると、食べるんです(笑)。「僕のなす、せっかく採れたから」って。
甘みを引き出すように、なすは油で炒めて食べさせたりしながら「お味噌汁にも入れてみる? 」という感じで、一つ乗り越えると息子にとっては達成感が。ミニトマトは「じゃ、朝採ったトマトにはチーズのせてみようか」という感じに、少しずつ克服していきました。
お味噌汁は野菜やお豆腐など、ひと椀でさまざまな栄養を摂取することが出来ます。ぜひ積極的に食べていただき、子どもたちにも好きになってもらいたいと考えます。なにはともあれお味噌汁。立派な一品なのです。
主食となるお米と相性も抜群のお味噌汁
お味噌汁は様々なお野菜を具材にすることで、栄養バランスの良い献立になることはもちろん、離乳食にも適しています。出汁で具材を煮て、お味噌を入れる前に少し取り分けてつぶせば、もう離乳食。ほんの少しだけお味噌を足してあげれば、味噌の栄養も含まれます。
また主食となる『お米』との相性も抜群!!お米に含まれる炭水化物は脳の大切な栄養源。お味噌汁と組み合わせることで、この大切なお米を食べることにも繋がります。
時には休憩『ゆるりご飯』
お母さんが疲れてイライラしそうな時は、「今日はお母さん休業!」と割り切り、お豆腐や野菜をいっぱい入れた味噌汁に、おいしいご飯だけという『ゆるりご飯』もおススメ。先ほどもお話しましたが、具だくさんのお味噌汁は『立派なご馳走』になります。
子どもたちが幼いころ、私は疲れると「塾、休んじゃう? ちょっとのんびりしたくない?」と話し、「今日はダラダラゆるりご飯でいい?」と言いながら、子どもたちとトトロのビデオ観ながら、リビングでゴロゴロすることも。「今日は休憩。たまにはのんびりしよう」という感じです。お母さんは完璧でなくていいのです。一番大切なことは『笑顔』でいてあげること。子どもたちに安心感を与えてあげること。これが一番お子さんにとって大切なことなのです。
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