子どもの遊びや遊具、遊び場所に隠されている教え(教育的な意味)を知って、一緒の週末をもっともっと楽しもう!

大野 崇恵さんインタビュー 幼児食の献立

「遊びの中にある学びとは?」をさまざまな方にインタビュー

大野 崇恵さんインタビュー
おいしいって、しあわせなこと

2016.6.26
家庭料理研究家
大野 崇恵(おおの たかえ)


ご自身の子育てを通して食育を実体験で学び、日々の食卓にムリせず楽しく取り入れている家庭料理研究家の大野崇恵さん。「妊娠中はいい卵? いい卵ってなんだろう」という疑問からスタートした食材へのこだわりは、今では調味料作りや野菜作りにまで及んでいます。大野さん手作りの幼児食は素材そのものの味が際立ち、懐かしくも新鮮な驚きを与えてくれる味です。

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素材の風味を生かした幼児食

素材の風味を生かした幼児食

幼児食の献立

「美味しい」は見た目が約8割

今日は、我が家の子どもたちが食べていた幼児食を作ってみました。子どもたちにとっても見た目はすごく大切で、色がキレイなほうが食べてくれます(笑)。『美味しい』という感覚は五感でいうと、見た目が約8割ともいわれます。美味しいと感じるには、見た目を工夫することも大切な要素。

ですから、目で見る色で楽しませてあげる。その中に嫌いなもの、たとえばアスパラが苦手なお子さんだったら、さりげなく忍び込ませる。ポテトサラダなど、ポテトが嫌いなお子さんは少ないので、茹でて刻んで、色味としてキレイに仕立ててあげれば、意外と気にせずポテトと一緒に食べることが可能に。

今日の献立は、この6品です。
・鶏ひき肉とおからのハンバーグ
・切干大根の煮物
・ラタテュイユ
・ポテトサラダ
・お味噌汁
・炊き込みご飯

噛むことを習慣にすることで顎の発達に

見た目は大人の食事と変わりませんが、味つけはかなり薄味。噛むことを重視します。幼児食の時期は長く、だいたい3〜9才まで。消化吸収能力が発達するまでの間で、基本的には濃い味のものはなるべく避けることがポイントとなります。

小さいころから噛むことを習慣化させることで、顎が発達し歯並びもきれいに。顎が発達しないと歯がきれいに並ぶスペースが狭くなってしまう可能性も懸念されます。また噛むことにより消化吸収しやすくなり、体への負担が少なくなります。『噛む』という作業は体にさまざまな効果をもたらすのです。

子どもの消化官はゆっくりと成長する

子どもの消化管は未完成。免疫能力もあわせて完成するのは10代の終わり頃ともいわれています。内臓に負担をかけないよう味付けも薄味を意識します。献立もなるべく調味料に頼らず、素材のうまみを引き出す調理の仕方を工夫しましょう。

栄養豊富な『おから』を使いこなそう

栄養豊富な『おから』を使いこなそう

まず『ハンバーグ』は鶏ひき肉、長ネギ、タカキビ、おから、卵、豆乳に生姜をすりおろして、酒、醤油、塩、コショウで薄く味付けします。小さいお子さんでしたら、手づかみで食べることも可能。消化を促進するために大根おろしを添えてあります。

続いて『ポテトサラダ』。ジャガイモ、ハト麦、アスパラガス、紫玉ねぎ、ニンジンを入れて、自家製の豆乳マヨネーズで和えました。卵アレルギーのお子さんでも安心な自家製豆乳マヨネーズは、菜種油、豆乳、粗挽きマスタード、お酢、塩とコショウを混ぜるだけ。豆乳は乳化しやすいため普通のマヨネーズを作るよりとても簡単なのですよ。

ご飯は、昆布だしで炊いた『炊き込みご飯』。古代米を一緒に加え炊くと、このようにお赤飯のような色になります。子どもの好きな枝豆も入れて塩を少量加え、色彩を引き出します。お出汁は、『昆布水』。ポットに水と一緒に昆布を入れ、冷蔵庫にいれておくだけ。とっても簡単。お味噌汁に使ったり煮物に使ったり、沸騰させカツオを加えるだけで『昆布・かつお出汁』にもなります。

『具だくさんの味噌汁』。具材はかぼちゃ、ズッキーニ、ミニトマト。かぼちゃもズッキーニも油と相性がいいので、ごま油でさっと炒め吸収率を高めるようひと工夫。お味噌は『自家製三種の麹味噌』(玄米・米・麦の三種類の麹で仕込んだもの)。トマトの酸味が苦手なお子さんのためにひと工夫。仕上げに練りごまを少し加え甘みとコクを出すようにしてあります。

『切干大根の煮物』は、こんにゃく、干し椎茸、しめじ、油揚げ、切り干し大根、玉ねぎを鍋に重ねて重ね煮し、干し椎茸の戻し汁を足し、玄米甘酒と玄米醤油麹で味付けしてあります。お砂糖(白砂糖など精製された砂糖)を使うと、血糖値が急上昇・急降下を繰り返し、感情の起伏が激しくなりイライラやなどの原因にも繋がります。ですから我が家は、なるべくお料理にお砂糖は使わないようになりました。

『ラタテュイユ』は、にんにくとオリーブオイル、椎茸、しめじ、トマト、ズッキーニ、パプリカ、ひよこ豆を少量の塩、こしょう、庭のハーブと一緒に鍋で重ね煮したもの。ハーブを使うと風味が増し、調味料はほんの少量で旨味を感じることが出来ます。『重ね煮』はとても便利でストックしやすいのでおススメです。

『重ね煮』は忙しいお母さんの味方

働きながら子育てをされているお母さま方が多い現代、家事も仕事もこなし本当に忙しいと思います。『重ね煮』は、鍋底に少量の塩を敷き順番に野菜を鍋に重ね入れ、最後に塩を振り弱火で30〜40分煮込みながら素材のうまみを引き出す料理。その間に家事や身支度も出来るので大助かり。冷蔵庫に保存しておき、出汁と醤油を足して煮物にしたり、ドレッシングで和えサラダにしたり、チーズをかけてグラタン、のばしてお味噌汁やスープにも。どれも30分以内に調理が可能に。幼児食作りの強い味方にもなりますので、ぜひ参考にしてください。

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